利休百首

千利休は戦国時代に生きた茶人です。織田信長、豊臣秀吉、他 多くの武将に教えを残しています。
 その子孫、弟子は教えを繋ぎ 現在は世界中に 茶の湯として親しまれています。
 利休百首とは 千利休が 茶の湯の教えを和歌に託して示したとされる歌です。茶道を志すうえでの心構え 

また点前作法の心得を 分かりやすく 記憶しやすいように 五、七、五、七、七にまとめています。
 なかでも 茶道の精神を説いた歌には 含蓄するところ大きく 深い洞察を感じさせるものがあります。

 

 

数首ご紹介しましょう。

その道に 入らんと思う 心こそ 我身ながらの 師匠なりけれ

ならひつつ 見てこそ習へ 習はずに よしあしいふは 愚なりけり

こころざし 深き人には いくたびも あはれみ深く 奥ぞ教ふる


上手には すきと器用と 功積むと この三つそろふ 人ぞ能くしる
  上手(名人)になるには 第一に好きであること、第二に器用であること、第三にたゆまぬ努力。この三つが揃ってこそ上手になれる。器用不器用は人によって差があれど こつこつと努めれば その人なりの味わいが出てくるから失望することはない。一番大事なのは 功を積むこと。

一点前 点るうちには 善悪と 有無の心の わかちをも知る
  善いの悪いの 自分は上手か下手か 人から誉められたい 笑われたくないなどという心が頭から去らないことが 有心すなわち我執である。一点前の間は 体も心も無心となって 始まりから終わりまで 無我夢中にならなければならない。

はぢをすて 人に物とひ 習ふべし 是ぞ上手の 基なりける
目にも見よ 耳にもふれよ 香を嗅ぎて ことを問ひつつ よく合点せよ
  貪欲にものを見て 聞いて 読んで 茶道はもとより香道その他 学問の修養になし得ることは何事も全て学べよ。そして自家薬籠中のものとせよ。以心伝心の妙境に達するまでの修業を言う。

稽古とは 一より習ひ 十を知り 十よりかへる もとのその一
  稽古とは 一から始めて階段を踏んで十まで進み また元の一に戻って再び十までの稽古を積む。再び一を習う時には 初めの時には気づかなかったことが見えてきて 習う人の感じ方は全く変わっている。こうして何度も反復練習しているうちに 習いの真意が理解されてくる。

 



茶道のみならず 仕事にも 通じる言葉だと思います。

日々の活動の 心の支えとしていただきたいと願っています。

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